真っ直ぐじゃなくても いいんです!!

今日はまっすぐな話し。

以前にも2月22日のブログで
カイロに通い続けて「全身の関節がグニャグニャになった女性」の話をしました。
私が考えるに カイロベットなどで全身の関節をバキバキと鳴らしても
ただちに何かが治ることは無く あまり意味はないのだという話をしました。

骨盤矯正では あまりにも世間の人達が
間違った情報を信じ込んでいるということをお伝えしました。

私が名づけるところの【まっすぐ神話】も上の2つに共通しています。
体がゆがんでいると様々な病気を引き起こすから…」と
真っ直ぐにする為に矯正する」というのです。
???
テレビでも紹介されたりして(テレビの情報自体が疑わしい物もあります)
あまりにも多くの人がそれを信じているのです
私から見れば全くありえない話です。

逆に言えば
私は50万人もの患者さん達を診てきましたが
一人として真っ直ぐな体の人に出逢った事がありません!!
ピサの斜塔!(笑)



まだ若かった頃のことです
首も腰も矯正していたし 骨盤も矯正したし 足の長さもそろえていました。
けれど目を見張るほどの症状の改善は診られず
有効な治療法を考える日々の中
 
「がむしゃらに矯正する」ということに疑問を感じ始めるきっかけとなる
いくつかの出逢いが重なりました。

片手にオカモチを持ち 片手だけで上手に自転車に乗り
出前をする働き者の近所の蕎麦屋のおじさん
彼の体はもう 自転車を降りても おかもちを持たなくても
とても真っ直ぐにはならないほどゆがんでいましたが元気に仕事を続けておられました
自転車で出前する彼の後ろ姿を見ながら
「長年の仕事で出来たこの絶妙なバランスを崩してもよいのだろうか?」と考えはじめました。

また
先天性股関節脱臼でものすごく体が傾いていた75才のおばあさん
1歩歩くごとに右へ左へと大きく体がゆれました。
「腰とかあちこち痛くて大変でしょ~」とねぎらうと
彼女は腰痛なんか人生で一回もなったことないですよと言いました

目が覚めたような気がしました
長年 疑問に思っていた問題が一気に解けた瞬間でした。
「そりゃそうだ!
人間の体は どんな仕事にもどんな生活にも適応できるように上手く出来てるんだ」

同じ方の腕や足ばかり使うテニスやサッカーなどをしている人の体は
当然ゆがんでいますね
決まった方の手で重い中華鍋を振る中華のコックさんなども。
仕事やスポーツではなく ツーの日常生活の中ででも
テレビを見る時いつも座る位置
毎晩 眠りにつく時に必ず向く方向
カバンを持つ手……などなど。
「右利きである」と言う時点でもう体はゆがんでいます
食べ物を噛む側の歯が決まっているというだけでも
また新生児であっても もうすでに体の癖はあるでしょう。

そして…
どんなに矯正してゆがみを取ったところで
治療が終わって院を出る帰り際
「先生ありがとう」と振り向く方向はもう決まっているのです。

やはりいつもと同じ方の手でカバンを持ち
自転車には同じ方からまたがり
家に着けば同じ席でテレビを見て
同じ方向を向いて眠る。
翌朝にはまた同じようにゆがんでいることでしょう。

それを数千円 なかには何万円も払って続ける…
まっすぐになることなど まぁ無いでしょうから
何を直すのか分からない「治療」がず~っと続くわけです…。

知っておいてください
体に癖の無い真っ直ぐな人などはいません

もしどうしても「真っ直ぐでなければならない」のなら
背骨はこんなに自由に動く形状には進化しなかったはずです。
私たちの体は それぞれの生活に適応できるように作られているのです。

私からみれば
こんな仕事をしている方だろうな
そんな風に過ごしているのかなぁ…というだけの事です。
ゆがみはそれぞれの個性であり その人の生活そのものなのです。
私の背中も37年間の治療生活でゆがんでいます。(笑)

ゆがんでいるからと言って
病気になるとか
痩せないとかいうことには一切関係ありません。

重要なのは 矯正でまっすぐする事よりも
日常の自分の悪い姿勢に気をつけることです。
これについては また今度…。


※痛みがある場合などでは治療が必要となります。
 以下は治療が必要なゆがみの例の一部です
〇交通事故やスポーツ中のケガのような突発的な外力による頚椎のずれ
〇出産時の骨盤環のずれ
〇膝や股関節
〇頚椎や腰椎
などは矯正を用いて治療しています。